いびき・睡眠時無呼吸症候群
いびきを習慣的にかいている人は、2000万人以上いると言われています。そのうちの約10%の200万人が寝ている間に、一時的に呼吸が止まってしまう睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)と言われています。潜在的には5人に1人とも!

1時間あたりの回数を“無呼吸低呼吸指数(AHI)”といい、重症度の診断基準となります。
AHI
5~15回 | 軽症 | 日常生活に何らかの支障をきたす恐れがあるので、早めの治療をお勧めします。 |
15~30回 | 中等症 | 命にかかわる全身疾患につながる恐れがあるため、早期の治療を。 |
30回以上 | 重症 | 日常生活に支障が強く出る可能性が高いです。可能な限り早く治療をしましょう。 |
5~15回 | 軽症 | 日常生活に何らかの支障をきたす恐れがあるので、早めの治療をお勧めします。 |
15~30回 | 中等症 | 命にかかわる全身疾患につながる恐れがあるため、早期の治療を。 |
30回以上 | 重症 | 日常生活に支障が強く出る可能性が高いです。可能な限り早く治療をしましょう。 |
①まずはセルフチェック!
□いびきがひどい
□日中に眠気、倦怠感がある
□はぎしりを指摘されたことがある
□息苦しくて目が覚める
□寝ているときに呼吸が止まっていると言われたことがある
□夢をよく見る
□夜中に何度も目が覚めてトイレに行く
□寝相が悪い
□しっかり睡眠時間を取っているのに疲れがとれない
□起床時に頭が痛い
□血圧の薬を飲んでも良くならない
□信号待ちで居眠りをしてしまう
いくつ当てはまりましたか?
いびき:狭くなった気道を空気が流れる際に大きな音が出ます。 口で呼吸をしていることが多いため、起床時にお口の中が乾燥してしまいます。
日中の眠気:充分な睡眠がとれず、日中眠気におそわれることがあります。車の運転中は、重大な事故につながる可能性もあります。
起床時の頭痛:無呼吸状態になると、脳が酸欠になり、起床時の頭痛を引き起こす原因となります。
夜間の頻尿:無呼吸状態は交感神経を優位にし、尿の生成が増加、結果としてトイレの回数が増えます。
頭の働きの低下:脳の働きが低下し、記憶力の低下、仕事のミスの増加など、日常生活に支障をきたします。
②睡眠時無呼吸症候群が引き起こす可能性があるご病気
・高血圧
・不整脈
・動脈硬化
・心筋梗塞
・脳梗塞
・糖尿病
・認知障害
・抑うつ
・ED
・夜間突然死睡眠時無呼吸症候群の場合、これらの発生率は健常な方の数倍と言われています。
・重症化すると10年後の生存率に大きく影響すると報告されています。
疑いがあれば、早めにご相談を!
③睡眠時無呼吸症候群のメカニズム


④睡眠時無呼吸症候群の原因~気道が狭くなる要因~
先天的な要因
- 骨格の問題(あごが小さい):あごが小さい方は、気道スペースが狭くなりやすい
- 元々気道が小さい
- 鼻閉(びへい):鼻炎により鼻閉になると口呼吸になり、肥厚し気道が狭くなる
- 扁桃が大きい
- アデノイド(咽頭扁桃)がある
後天的な要因
- 肥満:首周りの脂肪は気道が圧迫され狭くなる
- あおむけ:仰向けになると重力の影響で舌が沈み気道を塞いでしまう(舌根沈下)
- 飲酒:アルコールを過剰に摂取すると、舌の筋肉がゆるみ気道を塞いでしまう
- 老化:老化により筋肉がゆるんでくる
- 薬(抗不安薬・睡眠導入薬):アルコールと同様に筋肉の緊張がゆるむ
⑤治療方法
- 減量:食事療法や運動療法により減量します。比較的軽度の閉塞型睡眠時無呼吸症候群の場合、減量のみで無呼吸が軽減することもあります。
- マウスピース療法(スリープスプリント):睡眠中に、下顎や舌を前方に押し出すように、お口の中に装着します。装着すると下顎が下がらないようになるため、気道が確保され、いびきや無呼吸が軽減します。
- n-CPAP(経鼻的持続陽圧呼吸):鼻から陽圧の空気を送り込むことにより、舌や軟口蓋を押し上げて気道を広げる方法です。
- 外科手術:アデノイド切除術、扁桃肥大(へんとうひだい)の場合は扁桃摘出術を行い、上気道の容積を広げます。鼻中隔が曲がっている鼻中隔湾曲症(びちゅうかくわんきょくしょう)の場合も手術適応の場合もあります。また、生まれつきアゴが小さい方は、顎変形症の手術適用となることもあります。
⑥マウスピース療法とは
上下一体型の装置を入れることにより、下顎の位置が前に出て、気道が開き、空気の通りが良くなります。


⑦マウスピース治療の利点
・旅行・出張先に携帯できる
・睡眠中の歯ぎしり防止にも
⑧睡眠時無呼吸症候群の検査

当院より検査キット(Philips – ウォッチパット 睡眠評価装置)にて検査を行っていただきます。
検査は痛みや食事制限など無く普段と同じように生活できます。
就寝前にご自身で検査機器を装着し、起床後はご自身で取り外し、記入されたアンケートとともに返送していただきます。
Philips – ウォッチパット 睡眠評価装置
https://www.philips.co.jp/
⑨オーラルアプライアンス(OA)による治療
睡眠時無呼吸症候群の治療として、オーラルアプライアンス(OA)治療が一般的に多く普及しています。
こちらの睡眠時無呼吸症の為のマウスピースを装着し、下の顎を前に出すことで気道の閉鎖を抑制し、無呼吸やいびきを消失させます。




当医院では自費治療に限り、各種クレジットカードでのお支払いを受け付けております。